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クロスカンパニー、直営サイト、高価格帯も、ポイント会員、店舗と統合。

2013.11.25

 婦人服専門店のクロスカンパニー(岡山市)はインターネットを通じた衣料品販売を強化する。
 販路を直営店に限ってきた高価格帯の2ブランドを来春から直営通販サイトでも扱い、オンラインで買えるブランド数を8に増やす。店とネットのポイントカード会員も統合し、相互送客を目指す。ネット通販の売上高を2018年1月期で100億円と、14年1月期見込みの4倍に増やす。
 セレクトショップ「キワシルフィー」と婦人カジュアル「ラトリエフネートル」の商品を、自社サイト「クロスコレクション」で買えるようにする。現在扱っている「アースミュージック&エコロジー」などに比べ、値が張る商品をそろえる。キワシルフィーは輸入高級ブランドと自社商品を扱い、平均客単価は1万8千~2万8千円。20代後半~40代女性の利用が多く、表参道ヒルズ店(東京・渋谷)とルクア大阪店(大阪市)の2店だけで販売している。ラトリエフネートルは東京・代官山に1店だけある20代後半から30代の女性向けブランド。商品構成は自社商品が約7割、欧州を中心とする輸入商品が約3割。平均価格はワンピース2万~3万円、ジャケット2万5千~4万円などだ。
 店とネット通販で分かれていたポイントカード会員も来春統合する。会員数は現在、店が約200万、ネットで約40万。これらを一元管理することで、服や雑貨に関する最適な販促情報を顧客属性ごとにタイミングよく提供できるようにする。クロスカンパニーのネット通販売上高には「楽天市場」や「ゾゾタウン」など他社の通販サイトでの販売も含んでいる。ネット通販売上高全体に占める自社サイトの比率は現在6割程度だが、ネット通販売上高が100億円になった段階で7割以上に高める構えだ。
 経済産業省の調査では12年の「衣料・アクセサリー小売業」のEC(電子商取引)の市場規模は11年比で21・5%伸びた。衣料品市場全体に占めるネット通販の比率は数%にとどまっているとされており、今後の成長が見込める。固定費負担が軽く収益性が高いため、一段と力を入れる企業も目立つ。
 例えば、13年3月期のネット通販売上高が119億円のユナイテッドアローズ。すでに品ぞろえに実店舗とネット通販の垣根を設けていないが、来年には店とネット通販の顧客管理を一元化する予定だ。

  日経MJ(流通新聞),2013/11/06,12面