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首都圏で電力販売、中国電、広島カープと連携、北陸電は1000件。

2016.03.14

 中国電力と北陸電力は7日、首都圏で4月に電力販売を始めると発表した。電力料金は東京電力の現行プランよりも割安に設定するほか、地域の特色などを打ち出すことで首都圏在住の地元出身者の需要を取り込む。4月に控えた電力小売り全面自由化では地域や業種の壁を越えて電力販売ができるようになる。電力大手同士の顧客獲得競争に熱が帯びてきた。
 中国電力の首都圏向けプランは基本料金がなく、1キロワット時あたり25・62円の使用量単価を支払う仕組み。月間電気使用量が400キロワット時を超えると東電の現行プランより割安になるという。2~3年内に3万件の契約獲得を目指す。
 独自のポイントサービスも用意した。電気代の支払額に応じてポイントがたまるほか、同社の地元にあるプロ野球チーム、広島東洋カープの成績や選手の記録に応じてもたまる。地元出身者のほかカープファンなどの需要も取り込む。
 北陸電力も月間電気使用量が120キロワット時を超えると東電の現行プランより割安になるようにした。自社が持つ電源を首都圏に供給する見通し。北陸電管内への供給を優先するため、首都圏向け販売は1000件に限定する。5月中に契約した顧客向けの特典として北陸地方にゆかりのある商品が当たる抽選に参加できる。
 中部電力や四国電力、九州電力グループも首都圏での電力販売を始める見通し。一方で東京電力は関西地方などでの電力販売を始める。最大の電力市場である首都圏や関西圏など大消費地を中心に電力大手の域外進出が鮮明となっている。
 
 
 日経産業新聞,2016/03/08,ページ:11