ポイント導入、簡単に、アイリッジ、小売店向けシステム、選択式・クーポン配信も。
2016.03.07
システム開発のアイリッジは小売店向けにポイントシステムの提供を月内に始める。あらかじめ設定された管理画面にポイントやクーポンの付与の方法を指定するだけで簡単に導入でき、スマートフォン(スマホ)に販促情報などを配信することもできる。インターネットと実店舗を連動させる「オムニチャネル」戦略を支援する。
ポイントシステム「popinfoポイント」は、小売店が低コスト・短時間で自社のポイントシステムを導入できるのが特徴だ。自前のサーバーを構築する必要はなく、管理画面を使って簡単にポイントの設定や管理ができる。IT(情報技術)の知識が乏しい担当者でもすぐに活用できるという。
オムニチャネルに対応する機能も充実させた。例えば、買い物客がスマホにアプリを取り込むと、全地球測位システム(GPS)で来店時に自動的にポイントを付与できる。アプリ内のゲームなどと連動して、クーポンを配信したり、キャンペーン情報をリアルタイムで送ったりすることも可能だ。
導入費用は個別見積もり。月内にもまずファーストリテイリング傘下でカジュアル衣料のジーユーに提供する。2016年末までに10社への提供を目指す。
固定客を獲得するため、ポイントを導入する企業は拡大し、「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」など大手が運営する共通ポイントへの加入が増えている。ただ、大手の中には、顧客の購買データを提供してくれなかったり、有料にしたりするケースも多い。
アイリッジはすでに共通ポイントを導入している企業についても、新サービスを活用して既存のポイントと連携させることでより集客効果を高められるとみている。
アイリッジはネットで情報を配信して実店舗に顧客を導く「オンライン・ツー・オフライン(O2O)」サービスが主力事業。導入企業は大型商業施設や大手銀行など300件を超え、スマホ向けアプリの企画・開発や、データ分析を通じたマーケティング支援も手掛けている。
日経産業新聞,2016/03/04,ページ:6