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統計改善へデータ提供を、同友会、企業に呼び掛け、内閣府研究会もスタート。

2016.10.03

 経済同友会は28日、政府統計の改善に向けた提言を発表した。個人消費や設備投資の実態を正確にとらえるため、企業や業界団体に積極的なデータの提供を求めた。国内総生産(GDP)の速報値と改定値のずれを減らすため、大企業はIT(情報技術)を使った設備投資のデータ処理をさらに進めるべきだと主張。データを速報値の推計に間に合うように政府へ提供すべきだと訴えた。
 企業は個人情報の保護などを理由にクレジットカードやポイントカードのデータ提供に後ろ向きなケースが目立つ。同友会は「経済活動が過小評価されると(実際の)経済全体の活力もそがれかねない」と指摘し、企業にデータ提供を促した。
 たとえば、インターネット経由での個人消費を把握するにはネット通販会社や業界団体のデータ提供が欠かせない。家計簿をつけるスマートフォンアプリに蓄積された情報は「(家計調査などの)公的統計を補完する役割を果たす」と消費推計での活用を訴えた。
 内閣府も同日、正確な景気判断に必要な改善点を議論する研究会の初会合を開いた。GDPなど各種統計の抱える課題について、有識者からは「人材や予算配分の充実を」などの意見が出された。
 
 日本経済新聞 朝刊,2016/09/29,ページ:5