社内自販機、健康手助け、「トクホ」買うとポイント、サントリーがアプリ。
2016.07.26
サントリー食品インターナショナルは10月から企業内にある自動販売機で社員の健康管理を支援するサービスを始める。自販機に専用の近距離無線技術(ビーコン)端末を設置し、特定保健用食品(トクホ)などを購入するとポイントがたまるようにする。社員の福利厚生をサポートできる仕組みを提供して利益率の高い社内自販機の導入を促す。
一般にオフィスなど屋内にある自販機の年間売上高は屋外に比べ2~3割高い。サントリー食品は既存の企業内自販機への導入に加え、新規開拓も進めて初年度500社の設置をめざす。
オフィスや工場などにある自販機にビーコンを搭載した専用機器を設置する。従業員はスマートフォン(スマホ)の専用アプリを立ち上げて自販機に認識させ、現金や電子マネーで飲料を購入するとポイントがたまる。
例えば、緑茶「伊右衛門 特茶」やブレンド茶「特茶 カフェインゼロ」など7品目のトクホ飲料の購入で5ポイント(1ポイント=1円)を付ける。他の飲料は1ポイントにする。商品購入以外でも歩いた距離に応じてポイントを出す。1週間のうちに1日平均約1万歩で5ポイントを与える。ためたポイントはトクホ飲料と交換できる。
専用機器はサントリー食品が自前で設置する。企業はポイントの原資を負担するだけで初期投資は不要になる。年間数十万円程度の負担で導入できる見込み。まず8月から社員の健康増進を促すためSCSKが先行導入する。本社や事業所に50~60台を設置する。
高齢化などによる医療費増加で財政が悪化している企業の健康保険組合は多い。保険料率の引き上げなどで企業と従業員の負担も重くなるなか、医療費の抑制が課題になっている。ポイントサービスの導入で従業員の健康意識を高める。
サントリー食品にとってはアプリ経由で個別の自販機の販売動向についてのデータが取得できる利点がある。利用者の属性などを踏まえて収集したデータを分析して品ぞろえの改善などにも役立てていく考えだ。
日本経済新聞 朝刊,2016/07/22,ページ:13