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カード特典、現金還元でムダなし―自動で口座に入金、還元率0.5-1%前後(得々家計)

2016.07.20

 今どきはさまざまなものにポイントが付く。クレジットカードも、買い物するときの決済手段であると同時に、ポイントをためるツールにもなっている。ただ、たまったポイントを使うには一手間かかるし、期限内に使いそびれてムダにしてしまうこともある。そこで注目されているのが「キャッシュバック型」のカードだ。
 クレジットカードは通常、利用額に対して一定比率のポイントが付与される。その比率を示す「還元率」を0・5%とする例が多い。1000円の買い物で5円分のポイントが付く。電気やガスなど公共料金の支払いでもポイントが得られる。
 カードによっては電子マネーへのチャージでもポイントが付いたり、特定のサイトでのネットショッピングで還元率が数倍にアップしたりする。ためたポイントは商品や共通ポイント、電子マネー、航空会社のマイレージなどに交換できる。
 ただ、ポイントを交換するには、カード会社のサイト上などで手続きをする必要があり、面倒だと感じる人もいるだろう。ポイントには有効期限があることが多く、せっかくためたポイントをうっかり失効させてしまう人もいる。
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 そんな人に向いているのが、最近増えてきたキャッシュバック型のカードだ。利用額の一定比率に相当する金額が、自動的に請求金額から差し引かれたり口座に振り込まれたりする。この方法だと商品などに交換する手間がかからず、失効の心配もいらない。
 三井住友銀行が出資するポケットカードが発行する「P―oneカード」は、毎月のカード利用代金の請求時に1%分が差し引かれる仕組みだ。利用額が例えば10万円のとき、請求される金額は9万9000円。還元率にすると1%と高めだ。カード年会費は無料で、別途ポイントもたまる。
 三菱UFJニコスが発行する「VIASOカード」と「MUFGカードスマート」は、利用代金の一定比率に相当する金額が年1回、自動的に自分の銀行口座に入金される。還元率はそれぞれ0・5%、0・4%だ。
 カード年会費はVIASOカードは無料だ。MUFGカードスマートは23歳までは無料、24歳からは初年度無料で2年目以降は前年の年間ショッピング利用額が10万円以上で無料になる。支払口座が三菱東京UFJ銀行で、一定条件を満たしていると、同行のATM利用手数料が無料になる付帯サービスもある。
 オリエントコーポレーションの「My Cloudプレミアムカード」は、富士通のクラウドサービス(MyCloud)の会員向けに発行している。利用額の1%分がキャッシュバック残高としてたまり、残高が1000円以上になると翌月末に1000円単位で登録した銀行口座に振り込まれる。初年度は会費無料。2年目以降は前年のカード利用が1回以上あれば無料となる。同クラウドではメールマガジンへの登録・購読などでもキャッシュバック残高がたまる。
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 デビット式のカードでもキャッシュバック型が登場している。デビットは、カードで買い物をすると、即時に自分の銀行口座から代金が引き落とされる仕組みだ。口座残高の範囲でしか利用できないので、使い過ぎを防ぎやすい。
 クレジットカードのような与信審査がないのもデビットカードの特徴。Visaなどの国際カードブランドと提携しているため、海外でも幅広く使える点はクレジットカードと同じだ。
 「Sony Bank WALLET」は、ソニー銀行のキャッシュカードとしての機能とVisaデビットとして機能が一体となったもの。国内での利用額の0・5%分が翌月の25日までに預金口座に入金される。同行での外貨預金の残高によっては、還元率が最高2%まで優遇される。
 カードを利用するとメールで通知される機能があるため、不正使用されてもすぐわかる。海外での利用ではキャッシュバックはないものの、利用額が外貨預金口座から引き落とされる。世界の10の外貨が対象。海外へ行く機会の多い人に向いている。
 三菱東京UFJ銀行の「三菱東京UFJ―VISAデビット」は、毎月の利用額の0・2%分がキャッシュバックされる。誕生月は0・1%、前年1年間の利用額が20万円以上だと0・05%、30万円以上だと0・1%が上乗せされる。
 15~23歳は年会費無料。24歳以上は初年度無料で、2年目以降は年間利用額が10万円以上で無料となる。三菱東京UFJ銀行に口座があれば、ネットで簡単に申し込みができ、1週間程度でカードが届く。
 カードを選ぶ際には事前に、キャッシュバックの対象となる範囲をよく確認しておこう。公共料金の支払いや電子マネーへのチャージなどがキャッシュバックの対象とならない例があるからだ。
(ファイナンシャルプランナー
馬養 雅子)
 
 
 日経プラスワン,2016/07/16,ページ:5