関電、上新電機と首都圏電力小売りで提携、家電とセット割。
2016.05.30
関西電力は首都圏の一般家庭向け電力小売り事業で家電量販大手の上新電機と提携する。上新の店舗で家電製品などとセットで割安に販売することなどを検討している。関電は今後3年で10万件の顧客獲得を目指しており、上新を皮切りに住宅リフォームを手掛ける工務店などにも提携先を広げていく。茨城県などで大型火力発電所の建設も検討しており、首都圏での攻勢を強める。
4月からの電力小売りの全面自由化を受け、電力大手は異業種との提携を急いでいる。特に家電量販店とは東京電力がビックカメラ、中部電力がエディオンと組むなど協業の動きが相次ぐ。関電も全国で225店(3月末)を展開する上新と組み、まずは首都圏の約20店舗で顧客獲得を急ぐ。
上新は電気代への関心が高い消費者に対し、割安な電気とのセット販売を提案し省エネ家電の販売拡大などを狙う。ポイントサービスの互換なども検討する。関電は上新のほか、工務店など約20社とも提携を協議中。リフォームの申し込みと同時に割安な電気への切り替えを働きかける。
関電は首都圏での小売り事業拡大を成長戦略の柱に据える。東京ガスなどと大型火力発電所の建設も検討しており、安定的な電源の確保で価格競争力を高める。
日本経済新聞 朝刊,2016/05/26,ページ:15