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凸版印刷、電力・ガス利用者用アプリ、各社のサービス強化支援。

2016.04.18

 凸版印刷は電力会社などインフラ企業の契約者向けスマートフォン(スマホ)アプリを開発して提供を始める。ウェブ上で契約状況を確認できるほか、地域の買い物や自治体情報が見られる。電力小売り自由化に伴い競争が激しくなる中、既存顧客への対応強化につながるとして売り込む。中部電力が採用を決めており、2019年3月期に売上高10億円を目指す。
 凸版が開発した基盤となるアプリを利用して、各インフラ企業が契約者向けアプリを提供する。電力やガス会社の利用者が公共料金の料金や使用料を確認できるほか、地域のスーパーや飲食店の最新情報や電子チラシを見ることができる。
 地域情報は凸版が運営する電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」の仕組みを使っている。シュフーは国内最大規模で、全国3100法人、10万店舗以上が参加している。
 アプリは会員IDと連携し、契約者の地域や好みに応じた情報を配信可能。インフラ企業のポイントサービスにも対応し、アプリで配信情報を見ることでポイントを付与できる。シュフーの店舗情報以外にも、インフラ企業が独自に地域の店舗情報を配信できる。
 4月に電力小売りが全面自由化し、電力会社と新電力との競争が激化している。大手電力は契約者の離脱を防ぐため、サービス強化が課題となっている。
 凸版はアプリを電力やガス会社に売りこみ、17年3月までに5社の採用を目指す。中部電力は自社の会員向けサービス「カテエネ」に採用した。
 
 
 日経産業新聞,2016/04/12,ページ:11