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家計争奪、特色競う、電力自由化スタート――迎え撃つ電力大手、首都圏主戦場、地元出身者に的。

2016.04.04

 地域の電力大手が首都圏を主戦場に相次ぎ越境進出している。東北電力や九州電力など6社が、自社の発電所で発電した電気を運んだり、取引市場で調達したりして供給する。顧客獲得目標は1千件限定から2~3年内に3万件と企業によってバラバラだが、首都圏に住む地元出身者らからの契約獲得を目指す。
 九電グループの九電みらいエナジー(福岡市)は、契約者向けに「親孝行サポート」「みまもりサポート」のサービスを始める。九州に住んでいる家族が心配になったとき、九電に依頼して訪問・電話してもらう。中国電力も独自のポイントサービスを用意した。電力料金の支払いだけでなく、地元プロ野球チーム「広島東洋カープ」の成績に合わせてポイントがたまる。
 迎え撃つ東京電力は、新料金メニューの投入や異業種企業との提携を急ぐ。電気使用量の多い顧客にメリットが出やすいプランを用意し、既存の優良顧客の囲いこみを狙う。LPガスや通信サービスとのセット割引やポイントサービスも充実させる。一方、ソフトバンクと連携し、関西・中部エリアでも電力販売を進めている。
 
 
 日経産業新聞,2016/04/01,ページ:11