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挑戦・変革で成長めざす、静岡県内企業トップ年頭所感。

2016.01.12

 静岡県内でも多くの企の企業で2016年の仕事始めとなった4日、各社のトップが挑戦や変革への思いを込めた年頭所感を示した。県内経済や世界情勢に不透明感があるものの一層の成長を目指すとの声が目立った。
 昨秋、38年ぶりのトップ交代となった鈴与の鈴木健一郎社長は「停滞し始めている中国経済や米利上げの影響、頻発するテロなど不確実な時代ではあるが、長期の視座を持ち、やるべきことを積み上げる」と述べた。
 同じく15年に社長の座を譲ったスズキの鈴木修会長は「『自立した企業』としてどう進むのかを考え実行していかなくてはならない。グループ全員が自らチャレンジしていく1年にしていきたい」との抱負を示した。
 世界経済への先行きに不透明感が漂うなか、「環境変化に柔軟に対応し失敗を恐れず挑戦し、飛躍させていこう」と呼びかけたはごろもフーズの池田憲一社長。4日の日経平均や中国株の下落には「日本経済の悪化によるものではない。混乱せず落ち着いて見極めたい」との見方を示した。
 地方創生への取り組みも本格化する。静岡銀行の中西勝則頭取は「(産官学に金融、労働、言論界を加えた)産官学金労言が連携して取り組むことで大きな効果が期待できる」とした上で、「連携促進のコーディネーターとして、各地域の総合戦略の支援、創業促進、企業の進出サポートを進める」と抱負を述べた。
 ただ、景気回復への出遅れ感は残る。遠州鉄道の斉藤薫社長は「新たな取り組みとたゆまぬ改革を現場から実施していく」とし、「着実に発展し続ける」と述べた。
 TOKAIホールディングスの鴇田勝彦社長も「電力自由化を起爆剤に、商品ラインアップに電力を加えることでグループの強みを発揮し飛躍的な成長を目指す」とした。マックスバリュ東海の神尾啓治社長は「『地域密着経営』を具現化すべく、取り組みに磨きをかけて品質を飛躍的に高める1年にしたい」と述べた。
 
 
  日本経済新聞 地方経済面 静岡,2016/01/05,ページ:6