ネットマイル、企業のポイント交換サイト新設、マイルやTポイントに。
2015.04.23
ポイントプログラム運営のネットマイル(東京・千代田)は7日、ポイントの交換サービスを始める。交換サイトを新設し、企業が独自に発行するポイントを、航空会社のマイルや共通ポイント「Tポイント」などに変えられるようにする。消費者は失効などを防ぎ有効利用できるようになるほか、独自ポイントの発行企業も流通拡大につなげられる利点がある。
ネットマイルは従来、キャンペーンへの参加やアンケート回答などでポイントをため、そのポイントをマイルやTポイントなどに交換できるサイトを運営してきた。ただ、ポイントの入手目的でサイトを訪れる利用者が多く、顧客基盤の拡大が限られてきた。
ポイント交換に特化したサイトを新たに立ち上げ、ポイント獲得サイト「すぐたま」と別運営にする。従来と同様に「すぐたま」でためたポイントもマイルやTポイントなどに交換できる。
新機能はスマートフォン(スマホ)アプリや小売店などが展開する「独自ポイント」とのポイント交換だ。交換先は、楽天Edyなどの電子マネー、マイル、Tポイントなど約100サービスが対象となる。
ネットマイルはマイルやTポイントなどを自社で仕入れて独自ポイントと交換する。原則、同社が手数料などを上乗せせずに等価で交換する。交換率は仕入れ価格などで異なる。交換サイトは様々なポイントの「両替所」のような場にする。
多くの独自ポイントは利用先が限られる。利用先を増やすには個別に提携を結んだりする必要がある。ネットマイルと連携すれば、自前で用意する手間が省けるようになる。利用先が増えることで、ポイントプログラムの魅力も高められる。
4月中に10社程度が利用できるようになる見通しだ。地方の百貨店や金融機関のほか、調査会社など独自ポイントを展開する企業の参加も見込んでおり、順次拡大していく方針だ。
ネットマイルは数年でポイント流通量は従来の10倍にあたる100億円規模に拡大すると期待する。ポイントの交換を目的に多くの利用者を呼び込み、広告や電子商取引(EC)などで収益化を目指す考えだ。
国内では同様のサイトはVOYAGE GROUP(ボヤージュグループ)が本格展開している。ネットマイルは共通ポイントプログラムを運営してきたノウハウを生かし、交換率や交換先などを充実させて対抗する方針という。
日経産業新聞,2015/04/07,7面