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KADOKAWA、アマゾンと書籍を直接取引、取次介さず、ポイント還元も。

2015.04.23

 出版大手のKADOKAWA(角川)が4月からインターネット通販大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)と紙の書籍・雑誌の直接取引を始めた。出版物を書店に届ける取次を介さないことで物流を効率化。消費者に早く商品を送り届けられるようにする。仕入れ費用を抑えられるアマゾンはポイントなどの形で消費者に収益を還元することも可能になる。
 角川が発行するすべての書籍や雑誌が直接取引の対象となる。大手出版社がアマゾンと直接取引に踏み切るのは初めて。
 消費者はアマゾンのネット通販サイトを通じて欲しい書籍や雑誌を注文。アマゾン側に在庫がない場合は、角川が最短1日で商品をアマゾンに送るので、消費者の手元にも早く届くようになる。
 角川は従来は主に取次大手の日本出版販売(日販)とトーハンを経由して、アマゾンに商品を卸していた。アマゾンに在庫がないとアマゾンへの配送に5~8日かかる場合もあり、物流費もかさんでいた。
 角川は小売業者との直接取引のノウハウを蓄えて将来は一般の書店にも取り組みを広げる方針。消費者の利便性を高め、出版物の販売を後押ししたい考えだ。
 市場が低迷する中、出版業界にとっては販売強化と収益力の向上が課題になっている。
 
 
  日本経済新聞 朝刊,2015/04/22,1面