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来店と同時にポイント付与、吉野家HD、販促にスマホ活用。

2015.03.31

 吉野家ホールディングス(HD)は4月、牛丼店「吉野家」などグループの約300店でスマートフォン(スマホ)を活用した販売促進策を導入する。来店頻度の低い消費者に割引券を自動で送るなど、消費行動に応じた情報を提供する。IT(情報技術)で効率的に利用客を増やす。大手外食チェーンで同様のサービスは珍しく、今後広がりそうだ。
 デジタルマーケティング会社のタメコ(東京・港)のシステムを使う。讃岐うどん店「はなまるうどん」などを含む東京都と埼玉県の約300店に通信装置を置く。スマホに専用アプリケーションを入れた利用者が来店したとき、ためると特典を受けられるポイントを自動的に付ける。
 アプリ利用者が通信装置の半径400メートルに入ったとき、割引券や新商品の情報を配信することもできる。2週間に1度来店する利用者へ10日目に割引券を送ったり、400メートル圏内に何度も入りながら来店しない利用者にも配信したりする。店頭で配る紙の割引券は常連客にも渡ることがある。ターゲットを絞って情報を提供できる。
 26日に記者会見した吉野家HDの河村泰貴社長は「最適なタイミングで最適な情報を届けることができる。お客の利便性を高める」と述べた。同社は早ければ夏ごろに首都圏のグループ各店へ広げる計画。ポイントをためて受けられる特典の内容は、グループ各店が決める。
 
 
  日経MJ(流通新聞),2015/03/30,10面