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駆け込み特需でカード利用拡大-クレジット各社、ネットまとめ買いに期待

2014.03.12

 4月1日の消費増税前の駆け込み需要。家電量販店では洗濯機や冷蔵庫などが売れており、クレジットカード会社にもその恩恵が波及している。1月は家電を中心にクレジットカードの取扱高が増加。2月は雪など季節要因が影響し一部で伸び悩んだと見られるが、3月も日用品などの買い物でクレジットカードの利用拡大を期待する。
 【家電は大幅増】
 三井住友カードの1月のクレジットカード取扱高は前年同月比約13%増と伸びた。クレディセゾンも同12%増と好調で、特に家電は同30%弱増と大幅増となった。ジェーシービー(JCB)は2013年12月頃から1件当たりの取引額が上昇し、家電でその傾向が強い。他にも百貨店や衣料品などで上昇傾向にある。
 3月もカード各社はクレジットカードの利用増に期待する。97年の前回の増税時と異なるのが電子商取引(EC)の拡大だ。97年には1兆円に満たなかったEC市場は約10兆円に成長。耐久財や高額商品に加え、増税直前には持ち運びが大変なトイレットペーパーや洗剤といった日用品、水や米などをインターネットでまとめ買いすることが想定される。
 【ポイント付与】
 ネットでの購入にはクレジットカードでの支払いが多く、三菱UFJニコスは「最後の駆け込み需要が期待できるのでは」とみる。同社は一部のネット通販でポイントを従来より多く付与し、駆け込み需要の取り込みを図る。駆け込み需要効果を明確に捉えるのは難しいが、三井住友カードは13年度は12年度に比べクレジットカード取扱高が10%前後増えると見込み、そのうち約1%が駆け込み需要による押し上げ効果だろうとみる。
 【反動減を懸念】
 一方、懸念されるのが4月以降の駆け込み需要による反動減だ。カード各社は期間限定のキャンペーンを実施し、少しでも利用減を抑えようとする。三井住友カードは4月から6月末まで抽選でキャッシュバックする。クレディセゾンも3月17日から6月中旬までカード利用に応じてポイントプレゼントや、抽選でホテルへ招待などをする。企業のベースアップやボーナス増なども寄与し、7月以降は需要は戻るとの見方がある。それまで各社のカード利用喚起に向けた取り組みが続きそうだ。
 
 

  日本経済新聞 朝刊,2014/03/04,11面