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クレディセゾン、UCと基幹システム一元化-1500億円投資

2014.01.27

 クレディセゾンは約30年ぶりにクレジットカードの基幹システムを刷新し、10月にグループのユーシーカード(東京都港区)とシステムを統合する。総投資額は約1500億円で、2015年3月期から費用を計上する。カード会員の管理や決済に関わる業務を一元化する。新システムの稼働によりサービス開発などの生産効率を30%上げるとともに、コスト削減効果を見込む。基幹システムの処理能力向上による顧客向けサービスの高品質化も図る。
 クレディセゾンは新システムの稼働に伴い、クレディセゾンとユーシーカードが発行するクレジットカードの「永久不滅ポイント」を合算できるようにする。永久不滅ポイントはカード利用時にたまるポイントで、ポイント数に応じて商品などと交換できる。無期限で使用できるのが特徴。ポイント合算により、会員の利便性が向上する。
 現在は約30年前のシステムを基に、必要な機能を追加して運用してきた。このため新商品開発などを行う際に、変更や点検をする箇所が複数あり、効率が悪くコスト負担ともなっていた。
 クレディセゾンは2006年、ユーシーカードを持ち分法適用会社とした。顧客情報を別々に管理しているため、事務作業で端末が2台必要になる場合もあるという。新システムの稼働により、こうした非効率的な業務を改善することで、顧客サービスの向上に経営資源を振り向ける。
 カード業界各社は景気回復による個人消費の回復や小額決済市場の開拓などにより、カード利用の拡大を見込んでいる。こうした中でシステム統合の効果を早期に発揮していく構えだ。

日刊工業新聞,2014/01/24,1面