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雑誌買えば電子版無料、文教堂、出版10社と組む、外出時も手軽に情報。

2013.11.30

 書店大手の文教堂グループホールディングスは12月、紙の雑誌を買うと同じ内容の電子版を無料で閲覧できるサービスを始める。まず出版10社が参加。旅行ガイド「るるぶ」やスポーツ誌「週刊ゴルフダイジェスト」など10誌で取り組む。自宅ではゆったり紙の雑誌を読み、通勤通学ではかさばらないタブレット(多機能携帯端末)で持ち歩くなど用途に合わせ自由に楽しめるようにする。
 文教堂が首都圏を中心に運営する約200店で始める。2014年末までに売れ筋の300誌に対象を増やす。紙の雑誌を処分しても電子版のデータは保存できる。料理や旅行ガイドの場合、レシピや地域情報を好きな時に簡単に呼び出せるようになる。インターネットで既存の雑誌の価値を高め、購買意欲を誘う試みが広がりそうだ。
 JTBパブリッシング(東京・新宿)の「るるぶ」のほか、幻冬舎の子会社が出す女性誌「DRESS」、経済誌「週刊東洋経済」などが参加する。週内にも「空飛ぶ本棚」の名称で携帯端末向けアプリを公開する。
 雑誌を買った人に16ケタの数字を印刷した「しおり」を手渡す。読者がアプリ上で数字を入力すると雑誌の電子データを閲覧できる。1月にハースト婦人画報社(東京・港)と実験した時には対象雑誌の売上高が2~5割伸びたという。

    日本経済新聞 夕刊,2013/11/26,1面