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ダイヤモンドダイニング、予約客に還元、宴会獲得へ幹事に照準(戦略ウェブサービス)

2013.11.25

 ダイヤモンドダイニングが忘年会需要の取り込みを急いでいる。集客のツールとして活用するのが、専用サイトから予約して来店するとポイントがたまるサービス「DDマイル」だ。昨年12月から始め、会員登録数は5万人に近づいている。若者のアルコール離れなどで苦戦を強いられている居酒屋へ足を運んでもらうきっかけづくりに知恵を絞る。
 手続きは同社が運営する専用サイトに会員登録するだけで、年会費や手数料は無料だ。インターネットや電話で店舗を予約すると自動的にマイルがたまる。来店当日の午後5時まで受け付ける。ネットでの予約は24時間対応。宴会コンシェルジュと呼ぶコールセンターでも午前8時から午後11時まで予約に応じる。1マイルは1円相当で、1000マイルから使え、会計総額の約10%を還元する。対象店舗は首都圏や大阪、名古屋にある約200店の居酒屋をはじめ、同社が運営するビリヤード場やダーツバー、ネットカフェ。マイルは金券や旅行券、家電などの景品と交換できる。幹事の利用を想定しているため、大人数での予約が多くなる。そのため獲得できるマイルの額も上がる。運用を始めた当初は利用者が少なかったが、現在は予約した客の4割以上がDDマイルの会員登録者だという。導入以前と比べリピーターも増えており、「DDマイルを目的とした利用者が確実に増えている」(ダイヤモンドダイニング)。
 ネット上での宴会予約は、ぐるなびなどの飲食店検索サイトを経由する場合が一般的だ。だが飲食店検索サイトは最終的には電話予約が必要だったり、空席情報がリアルタイムでは更新されていないため予約が確定できなかったりするケースも多かった。「外食チェーンが自前で予約できるサイトを運営すれば、店選びのユーザビリティーは格段に高まる」という。
 同社はこのほかにも宴会の2次会の申し込み専用アプリを開発し、11月から運用を始めた。2次会の会場を探している幹事がアプリを使うと、現在位置からすぐに利用できる近隣の店舗を検索した上で、空席がある店舗から利用者に電話が入る仕組みだ。
 ダイヤモンドダイニングではこのDDマイルやアプリ開発などのネットサービスに数千万円を投じたが、客数は確実に増えており「今後も積極的にネット関連のサービスを充実させていきたい」という。ネットを味方に、どう使いこなすかが、居酒屋業態で生き残るカギになる。

  日経MJ(流通新聞),2013/11/15,3面