ホームセンター「グッデイ」、売れ筋・欠品情報提供、嘉穂無線、米IT企業と提携、取引先100社利用めざす。
2016.09.20
ホームセンター「グッデイ」を運営する嘉穂無線ホールディングス(HD、福岡県那珂川町)はビッグデータを活用して店舗の欠品を防ぐサービスを始める。米IT(情報技術)企業と提携して売り上げなどのデータを見える化し、サービスを利用するメーカーや問屋が品ぞろえしやすくする。世界的に進むビッグデータ活用が九州の地場小売りにも広がり始めた。
嘉穂無線HDは米タブローソフトウエアと業務提携を締結した。タブローソフトウエアはクラウド関連サービスを手掛けるIT企業で米ニューヨーク証券取引所に上場している。同社のデータ分析ツールを活用し、9月下旬にも店舗の売り上げデータなどを可視化するサービス「グッデイ データリンク」を始める。
同サービスの1カ月の利用料は3万円で、店に商品を納めるメーカーなどはグッデイ63店舗の日々の販売データをクラウド上で分析できるようになる。サービス開始時点で具体的に閲覧できるのは利用企業の商品のグッデイでの売上高、仕入れ高、返品高、在庫数、未納率など。時系列や担当者別にデータを分類できるうえ、売り上げシェアや売れ筋情報も閲覧できる。データの種類は顧客の反応をみながら、拡大することを検討する。
従来取引のある、メーカーや問屋など200社程度を対象に売り込む。同サービスを利用することで、最新の売り上げ動向に基づいた品ぞろえができるようになったり、一部店舗でみられた品切れや過剰発注を減らせたりする利点がある。
グッデイの販売データは米アマゾンのクラウドサービスを使い、全てオンライン上で共有する。顧客企業はスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)などで簡単に販売動向を確認できる。
九州ではディスカウントストア運営のトライアルカンパニー(福岡市)が自社のシステムを使い、ポイントカードにひも付けた販売データを取引先と共有している。嘉穂無線HDは同サービスを利用する企業を1年間で100社程度まで広げたい考えだ。嘉穂無線HDの2016年3月期の売上高は前の期に比べ8%増の327億円だった。
日本経済新聞 地方経済面 九州,2016/09/14,ページ:13