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総務省、マイナンバーとポイントカード一元化でサービス創出-17年度にも実現へ

2016.01.12

 総務省が打ち出した社会保障・税番号(マイナンバー)制度で交付するICカード「マイナンバー(個人番号)カード」と、民間の各種ポイントカードとの連携。実現すれば、小規模な小売業者もポイントサービスの仕組みを手軽に導入でき、集客効果を見込める。消費者もカードを複数持たずマイナンバーカードだけで済む。2017年度中にもマイナンバーカードとポイントカードを一元化する見通しだが、ポイントカードで顧客の囲い込みを狙う事業者からは戸惑いの声も挙がる。
 
 高市早苗総務相が5日にマイナンバーカードとポイント、クレジットカードなどが連携する仕組み作りを表明したことを受け、総務省は省内に検討チームを発足した。ポイントの運営事業者などの意向も踏まえながら具体化する方針。
 もともと同省はマイナンバーカードのICチップを有効活用するサービスの創出を目指しており、今回もその一環。ポイントの活用が消費者に広く普及する一方で、地場の小売業者や個人事業主にはポイントカード関連の投資は負担となる。
 そこでマイナンバーカードに一元化し、こうした事業者の集客や地域活性化につなげる。同省幹部は「マイナンバーカードの利活用だけでなく、経済対策の側面もある」と説明する。消費者も多くのカードを持ち歩かなくても、ポイントを活用できるようになる。マイナンバーカード自体の利用機会を増やし、普及を促す狙いもある。
 今後、一元化する上で必要な本人確認システムに関連する経費を予算で確保し、17年春以降に構築する見通し。同省はすでにマイナンバーカードの利活用を検討する有識者会議も設置しており、検討チームでの検討内容を議論する見通しだ。  
 【流通現場では賛否】
 マイナンバーカードとポイントカードなどの連携について、流通の現場では賛否両論だ。ポイントカード「ワオン」を展開するイオンでは「オープンな環境でどこでもポイントをためられ、どこでもためたポイントを使えるようになれば、消費者にとっては便利」と話す。
 しかし、一方で「まだマイナンバーカードと各ポイントカードをどうヒモづけるかなど、具体的な方法論は分からないが、マイナンバーと関連させると自然にオープンになり、ポイントカードグループの独自性がなくなる」(ある小売業)という指摘もある。現在、ポイントカードの主戦場は流通。独自のカードでポイントをためてもらうことで固定客化を図る狙いがある。それだけに突然飛び出したマイナンバーとのポイント連携に戸惑う声が多いようだ。
 
 
  日刊工業新聞,2016/01/12,ページ:2