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乗車ポイント、商品に、東急ストア、実験、東急電鉄と連携。

2014.02.18

 東急ストアは親会社の東京急行電鉄の鉄道利用時にたまる乗車ポイントを商品と交換できるサービスを一部店舗で始めた。3月9日までの実験と位置付け、店舗への誘客効果などを探る。実験の成果をみたうえで、東急線沿線にある全店にサービスを広げることを検討する。
 実験は東急電鉄が展開する乗車ポイントサービス「のるレージサービス」を利用する。利用者はIC乗車券「パスモ」「スイカ」を使って乗車した際にたまるポイントを専用サイトでクーポンに交換。携帯電話やスマホの画面に表示されるクーポンを店舗に設置した端末にかざして発券されるレシートと商品を交換する。
 中目黒本店(東京・目黒)、三軒茶屋店(東京・世田谷)、たまプラーザテラス店(横浜市)の3店で実施する。交換できる商品はペット飲料やカップ麺、スナック菓子など週替わりで変え、来店頻度を高める。
 東急グループの企業が連携し、ネットを介して鉄道利用者を実店舗に誘導する取り組みの一環。東急ストアは今後もネットをいかした誘客に力を入れていく考えだ。
 
 

  日経MJ(流通新聞),2014/02/07,5面

担当者のコメント

 電鉄グループの共通ポイントは都市圏ではすっかり市民権を得た、ある意味最強のポイントサービスとして流通している。ただ、どの電鉄会社も鉄道運賃に対しての直接のポイント付与は、鉄道事業における規制絡みからか、行っていない(定期券購入などを除く)のが現状だ。
 記事にある東急電鉄の「乗車ポイント」サービスというのは、実は東急電鉄グループTOPカードのポイントではなく、電子マネー・パスモ上に付与される、東急電鉄独自の「のるる」ポイントを利用したものである。電子マネー利用だからOKという理屈であろうが(ドラッグストアの調剤ポイントに類似の「すり抜け方」に見える。クレジットカードならOKなのかという理屈)、生活者サイドからすれば、乗車でポイントというのも今さら感がなきにしもあらずである。鉄道乗車に対するポイント付与ということで耳目を集めるだろうが、生活者というより、あまたある電鉄会社に与えるインパクトなど、企業の動向に注視したいところである。