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東ガス、電力契約40万件、訪問営業が奏功、今年度の目標達成。

2016.07.26

 4月に家庭向け電力小売りに参入した東京ガスは21日、電力契約件数が20日時点で約40万1000件となったと発表した。グループのガス器具販売店の訪問営業が奏功し、2016年度目標の40万件を早くも達成した。新電力では最大の顧客件数となっている。提携先の拡大などを通じてさらなる顧客数増加を目指す。
 5月上旬に比べ10万件程度増えた。関東地方に200店以上あるガス器具販売店の営業力が強み。都市ガスとのセット割引が好評で、月間電力使用量が300~400キロワット時程度のファミリー層を中心に顧客を獲得した。電力自由化直前の3月と比べると顧客獲得ペースは落ちたが「巡航速度となった」(リビング営業計画部の村越正章マネージャー)という。
 新たに不動産情報サービスのアットホーム(東京・大田)と提携し、賃貸物件のオーナーなど向けに訴求。電力契約の切り替えを検討している顧客にも再度訪問営業するなどして顧客増を狙う。自由化開始から3カ月半で年度目標を達成したため、目標を近く上方修正するとみられる。
 また東京電力パワーグリッド(PG)のトラブルにより電気使用量が確定できない問題を受けて、東ガスは7月末をメドに顧客と使用量確定に向けた協議を始めることを明らかにした。
 まずは7月上旬までにダイレクトメールで約6000件へ料金の請求が遅れることを通知した。このうち数百件は東電PGが電気使用量自体を把握できてないため、東ガスが顧客と協議のうえ、前月か前年同月のうち使用量の低い方をもとにして当月の料金を請求する見通しだ。
 
 
 日経産業新聞,2016/07/22,ページ:13