HOME > エムズレポート > 【コラム】<エムズの眼 第1回>CRM提供企業のジレンマを解く
 エムズはメーカー出身(大日本印刷)ですが、エムズのスタンスは、最終的にはモノを売るが、モノ売りの姿勢は徹底して捨てるということです。

 モノという場合、具体的にカード類、ウェブ、モバイル、DM、カタログ、POPという具象物のほかに、アンケート、調査、データ分析、情報通信のような行為やサービス自体も含まれます。そして、それらが複合的に絡んだ「パッケージ化されたソリューション」といったインテグレートされたサービス、また最終的に提供される仕組やフローや概念も含まれます。結局ここにあげたものは全て「プロダクト・アウト」のモノということです。一見顧客企業のことを考えているようでも、結局は売り手が売りやすく体裁を整えているということがその本質だと見ます(いい悪いは別にして)。プロダクト・アウトは、モノを提供する企業であれば立場として当然ですが、エムズは、徹底した顧客視点のみが新たな目に見えない付加価値を生み出し、際限のないプロダクトの価格競争から抜け出せる唯一の道だと考えます。プロダクト=モノはその顧客視点の売り方によって、顧客にとって真に有難がれるモノに変貌するのです。

 では、どうすればよいのか。それは、冒頭にも触れたとおりモノ売りの姿勢を捨てることなのですが、その代りにどのような「姿勢」をとればよいのか。結局、顧客が望むことを実現すれば顧客が満足するという原点に立ち戻ることになります。本来、顧客が買う商品=モノがその満足を実現してくれるモノ自体のはずなのですが、ソリューションなどというはっきり具象物に置き換えられないモノは、すぐに価格の根拠が薄弱になり、そのつけとして、真に顧客に提供すべきサービスは元がとれないためなされず、顧客にとって「メーカー都合」の「商品」に成り下がってしまう。そしてこの「商品」が顧客にとっては極めて利便性の低い「使えない」代物なのです。

 そのためには、だからこそ、徹底して商品=モノを売るという姿勢をなくし、「顧客の問題点、悩みを解決します」というスタンスに立つのです。顧客企業は、自身の問題点や悩みを認識していなかったり、整理できていなかったりします。そこで、我々が、ゼロ・ベースで顧客のそれらを洗いだし、真に望んでいることを実現させる提案を示します。その結果、真に顧客満足が得られる、あるいは得られそうだとのモチベーションが獲得できれば、結果として顧客は「顧客満足」を実現するために必要とあらば、多種多様のモノを短期に一斉に導入するのです。

 物事を逆さまに考えなければならない。顧客とともに、その企業の真にあるべき姿を描く。その戦略を実現するために、何が必要か。それを実現するための手立てを考えるのが我々だというスタンスです。そのためのフローを組み、システムを構築し、エンド・ユーザーの興味を引くイベントやキャンペーン、参加型のウェブやモバイルの使い方を示し、あるいはポイントカードや、印刷物を作り上げ、利用していただく。そのための具体的な「中身」や実態は顧客企業が握っているものですが、少くとも我々はそれを直視し、そこから外れてはならないし、逆にその本質に抵触するような商品=モノは売らないという位の姿勢を示さなければならない。そうして初めて顧客からの信頼を勝ち得、目に見えない付加価値とともに、たくさんのモノやノウハウ(=モノと考えて頂いてよい)が自然に売れていくと考えるのです。

 そのようにして、最終的に何らかのモノが売れるわけですが、モノ提供企業の収益モデルとしては、汎用的に企業で試されるであろうシステムフローによるパッケージ型のシステムと各種オプションを、結果として組立てておくことになるのでしょう。また、その抽象的な器に実態をあてはめる「コンサルテーション」、効果の検証、更なる運用、発展的開発につなげるためのフォローなどをうまくドッキングさせ、広範にかつ効率的にそして永続的に利益を回収できるものが想定されるでしょう。しかし、これはあくまで供給サイドのビジネス・モデルであって、顧客に対しては「顧客満足」以外に最終成果物はありえないところが肝心なのです。

 このような顧客視点の試みがCRM関連市場を開拓していく新たな潮流となると考え、積極的に実践しているのが、エムズなのです。