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楽天、中小書店でポイント、1600店にPOS端末。

2016.03.07

 楽天は全国約1600の中小書店と連携して書籍のインターネット販売を強化する。筆頭株主となっている出版取次大手の大阪屋(東大阪市)を通じて「楽天スーパーポイント」に対応したPOS端末を提供=写真。同端末を導入した書店は書籍などの購入者にポイントを100円に付き1ポイント付与する。
 ポイントは書店のほか、楽天のネット書店である「楽天ブックス」やネット通販の「楽天市場」などで利用できる。ポイントの原資は書店側が負担する。楽天は「楽天ブックス」で取得した顧客の購買情報を書店側に提供する。
 提供する情報では、店舗で販売したものと同じ書籍を楽天ブックスで買った人が、ほかにどのような本を購入しているかといったことがわかる。販促や品ぞろえの改善に生かしてもらう。楽天も中小書店から販売データを提供してもらう。ネットでは取り込めきれていないシニア層などのデータが得られるとみている。
 大阪屋の取引先の多くは中小の書店が占める。自社で会員カードを発行できる大手書店と異なり、顧客のデータ分析などが手薄な場合が多い。楽天は共通ポイントを通じて培った顧客管理や販促ノウハウを提供し、中小書店の経営を支援する。
 楽天は書籍のネット販売ではアマゾンの後じんを拝している。出版取次と書店、ネット書店を共通ポイントでつなぎ、競争力を高める。
 
 
 日経MJ(流通新聞),2016/03/07,ページ:9