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東ガス、電気料金下げ、東電より年1万円安く、戸建て3人家族。

2016.02.08

 東京ガスは1日、4月の電力小売り全面自由化に向けて電気料金の値下げを発表した。戸建て3人家族の平均的な電気使用量の場合は、東京電力の既存料金よりも年間で約1万円安くなる。同社は2015年12月に他社に先駆けて料金プランを公表。顧客の意見や他社の料金水準との競争を考慮して料金を改定した。自由化を前にして早くも顧客獲得争いが激化している。
 一般家庭向けの料金プラン「ずっとも電気1」などを改定した。公表済みのプランでは月々の電気使用量が300キロワット時以上であれば東電の既存料金より安くなるとしていたが、改定後はこれを200キロワット時以上に引き下げた。2人家族など幅広い層でメリットが出やすくなった。
 今まで東電の既存料金より割高だった基本料金を東電と同水準にしたほか、電力使用量に応じて3段階で変わる電力量料金も使用料の多い部分を中心に割り引いた。東電が発表した新プラン「プレミアムプラン」と比べても4LDK戸建て4人家族の場合は6%程度安くなるという。
 独自ポイント「パッチョポイント」では新たに電気料金に連動して付与する仕組みを導入する。電気料金1000円につき15ポイント(1ポイント=1円相当)たまる。
 Tポイント・ジャパンやNTTドコモと連携し各社のポイントサービス「Tポイント」や「dポイント」に交換することができる。
 東ガスが電気料金プランを発表した後、電力大手をはじめ石油元売りや携帯電話会社など新規参入組各社が割安プランを発表した。顧客から「もっと安くしてほしい」「ポイントメニューが少ない」との意見があったことや他社の動向などを見極めて改定を決めた。
 1月末時点で電話による問い合わせは1万1000件程度寄せられた。関東に200カ所以上ある販売店などと合わせて顧客の取り込みを狙っていく。
 
 
 日経産業新聞,2016/02/02,ページ:11