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日本食に共通ポイント、アグリHD、シンガポールで、JR東など、進出企業参加。

2016.11.01

 農作物の生産・流通ベンチャーのアグリホールディングス(HD、東京・港)は、11月からシンガポールで日本食に関する共通のポイントサービスを始める。消費者が日本の食材を扱う飲食店や小売店で買い物をするとポイントが付与され、たまったポイントは日本の農産品などと交換できる。日本食材の認知度を高めて輸出拡大につなげる。
 まず、東日本旅客鉄道や全日空商事などが現地で運営している30店舗以上が参加する。2017年3月までに150店舗、5万~10万人の利用を目指す。企業の枠を超えた共通ポイント制度はシンガポールでは珍しいという。
 監査法人のトーマツが2~4月に実証実験をした事業モデルをアグリHDが引き継ぐ。消費者はスマートフォンのアプリを使ってレシートを撮影してポイントを集める。実証では7千人超が参加。1人あたりの消費額は約6500円だった。アグリHDはトーマツの支援を受けて、ポイント情報から消費者の行動を分析し、結果を参加企業に提供する。
 シンガポールから日本への旅行者や現地の日本食店は増加傾向にあるが、食料品輸入額に占める日本のシェアは2%以下で横ばい状態。アグリHDやトーマツは日本の食品との接点を増やすことで農産物の輸出が増える余地は大きいとみる。
 アグリHDはシンガポールで、おにぎり専門店を運営するほか、傘下企業が農作物の生産や輸出を手がける。
 
 日経MJ(流通新聞),2016/10/31,ページ:13