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財布がゴチャゴチャ、パンパン―カード断捨離30分で、家計管理の出発地点に(すっきり解決)

2016.09.26

 ポイントカードやクレジットカード、電子マネーに健康保険証。カードだけでも何十枚もあるのに、小銭入れはパンパンでレシートもあふれています。財布をすっきりさせる方法はないのでしょうか。
 膨れあがった財布をポケットに入れると、取り出しにくいし格好も悪い。カードが多いと落としたときのリスクも大きい。なんとか財布をすっきりできないものだろうか。
 財布などの小物に詳しい納富廉邦さんは膨らんだ財布の中身を2つに分けることを提案する。「身に付けて持ち歩く財布はお金やカードをできるだけ少なくする。入らない分は長財布やカードケースに入れて、かばんの中に」
 「キャッシュカードや健康保険証は、肌身離さず持っている必要はあまりない。ポイントカードはよく使う店のものに限り、クレジットカードは1枚で十分。そうすれば、財布はとてもすっきりする」
 では必要なものをどう見極めるか。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんは「時間があるときに中身を整理するといい」と話す。テーブルにカードやレシートを出して、持ち歩く必要があるか判断する。「30分もあればきれいになる」
 コツは「今の自分に合ったカードを残すこと」。例えば職場が替わったのに、前の通勤ルート周辺のカードを持ち続けていないか。不要なキャッシュカードを持っていないか、などをチェックする。
 ポイントカードは必要かどうかをいま一度確認したい。1円でも得をしたいと思うのが人の心理だが、得たポイントはそれほど多くないのに、ポイントを得るために無駄遣いをしているとしたら店の思うつぼだ。還元率の低いカードは財布から出しておこう。
 レシートも財布にため込まないのが基本だが、山口さんは「高価な商品のレシートはとっておいた方ががいい」という。返品や交換、修理の際に役に立つからだ。
 家計の見直し相談センター代表の藤川太さんは「財布をみれば、持ち主のお金に対する価値観がわかる」という。「家計管理が苦手な人は、財布がすっきりしていない」
 財布は家計管理の重要なツールだ。藤川さんは財布に入れる金額を決めるよう助言する。1カ月の出費が12万円とすると、1日当たり4000円。そこで1週間分の2万8000円を財布に入れておく。そうするとすぐにお金の減り具合がわかり、予定以上に使っていないかチェックできる。財布がパンパンだと中身をひと目で確認できないので、財布はすっきりした状態を保ちたい。
 藤川さんによると「お金がたまる財布管理術」には3つのポイントがある。1つ目はカード。「お金がたまる人のカードの数は15枚以内」という。例えばポイントカード。絞り込んで使わないとポイントがたまらない。
 2つ目がレシート。お札の間にレシートがあふれていると使った金額が分かりにくい。「家にレシートボックスを用意しておき、財布から移していく。時間があるときにノートに日付順に貼り付けておくと、無駄遣いをチェックできる」
 3つ目が小銭。「小銭は先に使い、ためこまないのが鉄則」。支払いのとき、小銭があるのにお札を出してお釣りをもらう人も少なくない。しかし「お札をなるべく崩さないのがお金をためるコツ」という。一万円札だと大事にするが、小銭になって小額になればなるほど、お金は“どうでもいいもの”になりがちだからだ。
 ファイナンシャルプランナーの山口さんは電子マネーの使い方を提案する。例えばプリペイド型の電子マネーは、昼食とコンビニで買うお菓子だけにする。毎月一定額を入れるようにすれば、使いすぎをチェックしながら使うことができる。かつて家計管理の手法として流行した「袋分け管理」の現代版だ。
 財布の中身がすっきりすると、使用中の財布が大きすぎると感じるかもしれない。納富さんは「最近は昔の小銭入れくらいの大きさで、カードもお札も小銭も入るフル機能の財布がある。かばんのように、財布をTPOに合わせて使い分ける時代が来る」と予想する。(相川浩之)
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 日経プラスワン,2016/09/24,ページ:2