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パーキング、進化の予感――スマホ予約や分刻み課金(サーチライト)

2016.09.26

 駐車場は月ごとなら月極、時間ごとは時間貸しとして街に無数にある。進化が止まったようにも見える産業だが、分刻みの課金やスマートフォン(スマホ)を使った事前予約といった新サービスの開発が進んでいる。
 NTTドコモは分刻みで課金できる駐車場専用システムを開発し、6月から実証実験を始めた。車の入出庫をリアルタイムで感知するスマートパーキングセンサーは、自社で開発したものだ。
 機器設置も簡単で、設備投資は従来の3分の1で済む。5台分の駐車場に必要な機器の費用は約100万円で、工事は最短1日で終わるという。
 専用アプリを使えば駐車前にスマホで駐車場を検索し、予約もできる。クレジットカード決済にも対応し、小銭に悩むこともなくなる。
 駐車場最大手のパーク24も動き出した。個人や法人の空き駐車場を、個人に貸す駐車場シェアリングサービス「B―Times」を8月26日から始めた。
 貸す側は、空き駐車場を1台から空いた時間に貸し出せる。借りる側は、2週間前から直前までスマホやパソコンから予約できる。目的地の駐車場を事前に予約しておけば、旅先で右往左往することもなくなる。
 駐車場シェアリング業界では、アキッパ(大阪市)などのベンチャー企業が先行する。だがここに来て様子は変わりつつある。年内には楽天が参入し、共通ポイントによる支払いも選べる。各社のサービスが出そろえば立地と料金が全てだった駐車場業界に、サービスの使いやすさという新しい競争軸が加わるかもしれない。(広沢まゆみ)
 
 日経産業新聞,2016/09/23,ページ:14