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ポイント処理20倍速く、クレアンスメアード、クラウドで管理、アパレルなどに導入へ。

2016.09.12

 ポイント管理システム開発のクレアンスメアード(東京都青梅市、菊池一夫社長)は12日、企業が発行するポイントの計算を従来より20倍近く速められるサービスを始める。交流サイト(SNS)など発行するルートが増え、アクセスが集中しがちなため速度向上が求められている。消費者はポイント保有数の確認などが円滑にできる。3年間でアパレルなど100社への導入を目指す。
 ポイント処理システムは商品やサービスの売買で発生するポイントの計算、顧客データベースへの書き込み、閲覧ができる。アパレル企業が店舗に加えサイトやメール、SNSのチャネルを通じポイントを付与するなど発行ルートが多様になり、システムへのアクセスが短時間に集中しやすくなっている。
 これまでは毎秒200件を処理できれば十分だったが、最近ではテレビ番組と連動したポイントサービスなどで、3000~4000件の処理が求められる場合もある。
 クレアンスメアードはポイント処理ソフトを改良。米オラクルとオープンソース「MySQL」の両方のデータベース製品で顧客のポイントを管理できるようにしていたが、MySQLのみにデータベースを絞り込むことで動作を速めた。
 同時にクレアンスメアードはコンピューターの基盤として米アマゾン・ドット・コムが提供するクラウドを使うことにした。これでクレアンスメアードの投資費用が抑えられる。
 サービス料は最小構成の場合、月額9万円(税別)から。企業の採用コストは従来の同社サービスと比べ約3分の1になるという。
 ポイントの発行額は2014年度から2千億円近く増えて20年度に1兆円を超すとの試算がある。企業が単体で発行するだけでなく、様々な企業で使える共通ポイントの導入が進んでいる。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループのTポイント、三菱商事系のロイヤリティマーケティング(東京・渋谷)のポンタ、楽天の楽天スーパーポイント、NTTドコモのdポイントが企業の囲い込みを競っている。(木村雅秀)
 
 日経産業新聞,2016/09/08,ページ:6