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北電、料金据え置き、4月以降も、対抗値下げ先送り。

2016.01.25

 北海道電力は18日、電力小売事業が全面自由化される4月以降も、現在の電力料金メニューと料金水準を据え置くと発表した。新規参入する北海道ガスやジェイコム札幌(札幌市)などの新電力が北電より割安な料金水準を打ち出しているものの、4月の段階で対抗値下げはしない。一部の新メニュー追加にとどめ、泊原子力発電所(泊村)の再稼働後の本格値下げを目指す。
 新メニューは寒冷地用エアコンやIH(電磁誘導加熱)クッキングヒーターなど電力使用量が増える機器を使っている家庭が主な対象。新メニューの料金単価などの詳細は月内に公表する。
 全国では東京電力や関西電力などが4月からより多くの利用者を対象にした新料金メニューを設けている。北電もポイントサービスの新設などを実施する見通しだが、本州の大手電力に比べると取り組みは限定的だ。
 全面自由化に対して北電はまず泊原発の早期再稼働を目指し、その後、本格的に値下げする方針を鮮明にしている。ただ、北電は泊原発が全機停止後、2度にわたり料金を値上げしており、全国的には割高な水準だ。
 原発再稼働に向けた審査は当面の山場を越えたとみられているが、再稼働が遅れるほど新電力との料金差が定着し、北電からの顧客流出が加速しかねない。泊原発の再稼働の動向は、自由化後の道内電力市場のシェアにも大きく影響しそうだ。
 
 
  日本経済新聞 地方経済面 北海道,2016/01/19,ページ:1