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松屋フーズ、券売機に顔認証――脱・価格競争へ、顧客データ活用、情報収集盛んに。

2016.04.25

 外食チェーンでは、ポイントカードやスマホのアプリを使う情報収集の仕組みづくりは広がっている。吉野家ホールディングスは2月までに牛丼店全店でカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の「Tポイント」を導入。ゼンショーホールディングスも4月末までに牛丼店や回転ずし店など約3千店にグループ共通のポイントカード「ゼンショー・クーカ」を導入する。
 各社とも顧客データを収集し、販促やメニュー開発などに生かそうという狙いは共通だ。新商品開発もこれまでは感覚頼みな面が強く、試験販売の結果を細かく分析できていなかった。
 また、ファストフードチェーンの場合、これまでは価格重視の販売戦術が中心だった。だが、価格競争が行き過ぎた結果、牛丼チェーンでは利益率の低下を招いた。
 原材料の値上がりや人手不足による人件費高騰などコスト上昇も響き、かつてのような価格競争で顧客を奪い合う消耗戦は難しい。今後は顧客の購買履歴情報などを基に、ニーズにあった商品開発や新商品の情報発信などの販促策が不可欠といえる。
 
 
 日経産業新聞,2016/04/22,ページ:9