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近江町市場商店街振興組合理事長吉村一氏――活況の裏で募る悩み(ほっとタウン)

2016.03.31

 ○…「これほど人が増えるとは想像していなかった」。金沢市の台所といわれる近江町市場商店街の振興組合で理事長を務める吉村一氏は驚く。昨春の北陸新幹線開業以降、新鮮な魚介類を求める観光客が押し寄せ、来場者は前年比で3割増えた。海鮮丼の店には長い列ができ、エビやカキといった海の幸を店先で食べる人も多い。「混雑を見越して、場内通路の整備を早くから進めておけばよかった」と「準備不足」を反省する。
 ○…活況の裏で、悩みも募っている。「混雑を理由に、高齢者を中心に地元客の足が遠のいた」。観光客の関心からは外れがちな青果店などの売り上げは伸び悩んでいる。「地元の人が支えてくれてこそ市場が成り立つ」と考えて、婦人団体から意見を聞く会合も持った。ポイントカードの創設や、店舗の枠を超えて市場全体で宅配を請け負うといったサービスの検討にも入っている。
 
 
 日経MJ(流通新聞),2016/03/28,ページ:12