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ドコモ、ポイント事業で「ポンタ」と連携、5400万人にカード、まずローソンで利用可能に。

2015.05.12

 NTTドコモは携帯電話契約者向けのポイントサービス(3面きょうのことば)の利用を外部に開放する。共通ポイント「Ponta(ポンタ)」の運営会社と連携し、12月から小売りやサービスなど2万余りの加盟店でポイントを使えるようにする。約5400万人の個人契約者が対象となる。利用者の裾野の広い携帯電話の最大手、ドコモの戦略転換でポイントの使いやすさが大きく高まる。
 ドコモは並行して個人契約者向けに独自のポイントカードも無償で発行する。ポンタとの連携は事前にインターネット上での手続きが必要になる。一方、独自カードでは小売りやサービス店でそのまま買い物をしたり、ポイントをためたりできる。まず、ポンタの有力メンバーのローソンから始め、他の小売企業などに広げる。
 ドコモは現在、月々の携帯料金などの支払い1000円につき、基本的に5~100ポイントを付与する。独自サービスにこだわり、利用は端末やケース購入などドコモ向けの支払い、商品券への交換などのほか、日本航空のマイレージプログラムに限られていた。
 携帯大手ではソフトバンクが共通ポイント「Tポイント」とサービスを統合し運営するTポイント・ジャパン(東京・渋谷)に出資した。KDDI(au)はポイントと電子マネーを組み合わせた独自の「auウォレット」を展開し小売店などでの利用を進めている。
 携帯電話の国内市場が伸び悩む中、ドコモは小売りや飲食、ガソリンスタンドなどにポイントの用途を広げて利用者の利便性を高め契約者をつなぎ留める。これで携帯大手3社がポイントの外部開放ででそろう。
 ドコモはポイントの名称を「dポイント」に変更し、「ポンタ」を運営する三菱商事系のロイヤリティマーケティング(東京・渋谷)と提携する。ネットで手続きしドコモとポンタのポイントを交換できるサービスを始める計画だ。ポイントの交換比率は今後詰めるが、ポンタ加盟の昭和シェル石油やDVDレンタルのゲオなど約2万3000店で広くポイントを使えるようにする。
 共通ポイントは会員数が約5300万人のTポイントと約6900万人のポンタ、楽天が展開する約9900万人の「楽天スーパーポイント」の3陣営に分かれる。Tポイントはヤフーともサービスを統合。ポンタはリクルートホールディングスと相乗りを進める。国内最大規模の5000万人強の会員を抱えるドコモがポンタと連携することで勢力図が変わり合従連衡が続きそうだ。
 
 
  日本経済新聞 朝刊,2015/05/12,1面