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エネットと楽天、買い物ポイント、節電したら付与、ピーク時に外出促す。

2014.06.03

 新電力最大手のエネット(東京・港)は楽天などと組み、節電に協力すると買い物用のポイントが多くもらえるサービスを7月から始める。平日の昼など電力需要が増える時間帯に店に行くとポイントがより多くたまるようにし、外出を促して家庭での電力使用を抑える。家庭向け電力販売の自由化を2016年に控え、業種を超えた連携で競争力を高める動きが広がりそうだ。
 新サービスはエネットの筆頭株主で、同社の電力をマンションに配電するNTTファシリティーズと共同で手掛ける。
 店に行くだけでポイントがたまる楽天のサービス「楽天チェック」と連携。スマートフォン(スマホ)に専用のアプリ(応用ソフト)を取り込んでおき、サービスに参加する約千店を訪れると店頭でスマホを検知してポイントが自動でたまる。
 通常は1回の来店で10~50ポイントがたまるが、エネットの電力を使うマンションの入居者には電力使用が多い時間帯のポイントを数倍にする。今年2~3月に首都圏で実験したところ、平均で1~2割の人がアプリに反応して出かけたという。
 エネットはガス会社などから電力を調達して販売しており、販売量は約100億キロワット時と新電力全体の半分近くを占める。今回のサービスはまず首都圏などの約1万3千世帯に提供する。ピーク時の電力使用を抑えられれば、割高な電気を調達したり、自社で発電設備を持ったりせずに済む。
 
 
  日本経済新聞 朝刊,2014/05/27,1面