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フランス――おしゃれな服、みんなで交換(世界の話題)

2013.11.25

 おしゃれな人たちの間で、着なくなった服と服を交換するサイトが人気を呼んでいる。今春あたりから急増して現在10以上。会員登録し、欲しいものを指名して自分が出品できるものと合意が得られれば、手渡しや郵送で交換する。利用者は主に女性。確かにおしゃれであればあるほど、たんすの肥やしになっている服はあるものだ。結婚式に出席するためにと奮発して買ったドレス、体形が合わなくなってしまった服、ブランドもの、ビンテージもの……。
 オークションへの出品やリサイクルショップで売る手もあるが、捨て値で手放すのは惜しい。ならば、ほぼ同価値の気に入ったほかの服と交換したい。ごく親しい女友だちとの間で服を交換する、あの感覚だ。
 ネット上だけではない。週末に自分のアパートで「トロック(物々交換)パーティー」という交換会を催す人もいるし、カフェなどで実際に服を見て、触れて交換し合う場を設けるサービスも登場している。カフェならば5ユーロほどの参加費と飲み物代を支払うのが一般的だ。
 節約だけが目的ではない。ファッション情報を交換したり、おしゃれ術をアドバイスし合ったりという付加価値もつく。友人関係が広がることもある。服飾業界にとってはちょっと迷惑かもしれないが、物々交換がいまファッショナブルだといえる。

  日本経済新聞 夕刊,2013/11/12,9面